おせち 早割

元旦の朝の寒稽古

元旦の朝の寒稽古

息子は、かつて武道を習っておりました。

 

冬には寒稽古と言うものがあり、それを行うのは元旦の早朝でした。何年間も習っていたわりには、一度のみの寒稽古参加でした。不参加していた理由は、風邪や家族旅行です。

 

寒稽古参加が決まり、いよいよ年の暮れになってきますと、本人達は勿論の事ですが、親達も寒稽古に向け支度が始まるのです。寒稽古の後に振る舞われる、豚汁や柚子湯を作る為に役割を決めます。習っている人数に比べますと、私達作る人数はたったの4人でしたので、作る量は大変な物でした。

 

寒稽古の支度をしながら、自宅のおせちの支度は、なかなかキツかったです。その時、私は仕事もしていたものですから、これまた大変でした。その仕事は、大晦日まで息つく暇が無い位の忙しさでした。年の暮れから元旦が終わるまで、心身ともに休まりませんでした。

 

いよいよ大晦日。仕事も終わらせて、夕方には夕食とおせち作りでした。夜には、年の暮れの特別番組のテレビを視ながら就寝でした。その三時間後の午前三時、まだ真っ暗闇の中息子と私は、寒稽古へと出掛けました。手や足の先は感覚が無くなるほど寒かったです。息子達は、近くの山へ寒稽古に行き、その間には親達が豚汁や柚子湯を作りました。寒稽古から戻った息子達に、振る舞いました。悴んだ手足が溶けていくような感覚だと暖かい笑顔で言っていました。息子達の【最高に美味しい】の言葉は嬉しかったです。年の暮れからの大変な日々を忘れさせてくれました。寒稽古に参加して良かったと思いました。元旦は、とても暖かく穏やかな気持ちで過ごせました。

 

しかし、翌日から私は、インフルエンザで1週間寝込んでしまいました。